視聴感想

花の詩女 ゴティックメード 公開10周年リバイバル上映観てきたぞ!カイゼリンの起動シークエンスが鳥肌モノ

2022年11月1日から10日までリバイバル上映された『花の詩女 ゴティックメード』を駆け込みで観てきたので、簡単な感想を残しておくぞ!

『花の詩女 ゴティックメード』観てきた
ロボ兄
ロボ兄

今のところ再上映でしか観ることができないので、時間を作ってTOHOシネマズ 新宿に観に行ってみた

迷っていたのだが、観に行って良かった! と思えた作品だ

2012年に公開され、こだわりの音響と解像度のためソフト化されていない作品

『花の詩女 ゴティックメード』は、10年前の作品ながら撮影解像度4K~12K(!)、音響も永野護監督がこだわり抜いていて、「ソフト化せず(もちろん配信もせず)劇場のみで観られる作品」の方針が現在も貫かれている。

公開時にはまだ伏せられていたが(スタッフや『ニュータイプ』編集者にすら知っている者は一握りだったという)『ファイブスター物語』世界のお話であり、星団暦451年が舞台となっている。

(『ファイブスター物語』第1巻や劇場アニメの舞台は星団暦2988年。)

解説

『花の詩女 ゴティックメード』の公開後に
『ファイブスター物語』の連載も再開し
モーターヘッド(MH)がゴティックメード(GTM)
ナイト・オブ・ゴールド(KOG)がマグナパレス(MGP)
に変更されるなど、大幅な設定の改訂が行われた。大胆!

女性ファンの姿も多く見られた観客席

と言いつつ、私は漫画『ファイブスター物語』は9巻か10巻あたりで(完結したら読もう、などと思って)離れてしまった半端者なので、ああ、この辺つながりあるんだろうなー、と思いつつ全然わかっていない。

10日間の再上映期間の最後の方に駆け込みで観たのだが、それなりに観客は入っていて、熱気のある女性ファンの姿が多く見られたのも特徴的だった。

おそらく『ファイブスター物語』を追ってきたのだろう、と感じさせる客層で、にわか者の私はなんだか申し訳ない気になってしまった。

(いや楽しんだのだけれども)

キャラも魅力的で清々しいガール・ミーツ・ボーイ

さて、お話としては全体的には少女漫画的なガール・ミーツ・ボーイもの。

平和を愛するヒロイン・詩女のベリンと、その警護につくことになった高慢な態度のトリハロン皇子。

最初は互いに印象最悪で、ベリンは武力を誇示するトリハロン一行に嫌悪感をあらわにする。

しかしやがてお互いの人となりや想い、魂に触れていくことで、立場の違いを認め合いながら互いに敬意を払い、絆を築いていく……。

ベースのストーリーは非常にストレートにまとまっていて気持ちよく、清々しい。

意外としたたかなベリンと、誇りと責任感を負ったトリハロンのキャラクターも好感が持てて非常に良かったぞ。

そしてエピローグでは、レーダー9世やエストたちが現れ、その表情は……

カイゼリンの起動シークエンスがむちゃくちゃカッコよかった!

と、気持ちの良いストーリーなのだが、やはりメカ好き、ロボットアニメ好きとしてはゴティックメードの戦闘シーンもはずせないところ。

実尺で言えば作中ゴティックメードが活躍する時間は短いのだが、これがめちゃくちゃ良かった。

特にカイゼリンの起動シーンが! たまらなく格好良い!!

「女性の幽霊が泣き叫ぶような音」と称される起動音を鳴らしながら(IHIジェットサービスの協力を得ているとか)、幾度か再起動のような工程を経て起動する。

「氷の女王」カイゼリン
パンフレットより

それぞれの工程が何を意味しているのかはわからないのだが、複雑な関節機構を考えても表層に見えている部分しか描かないという永野監督のこと、おそらくそれぞれの意味は完全に設定してあるのだろう。

(まずこの部分を起ち上げ、次にこの部分をチェックし……など)

その裏付けによって、まったく説明がなくとも「きっとそういうものなのだろう」と納得させてしまう描写力が秀逸。

いや本当この起動描写、メカ好きならば無条件にワクワクしてしまうのではないだろうか。

ロボ兄
ロボ兄

私は劇場でめっちゃ鳥肌立った

この起動シーンだけでも観に来て良かったと思ってしまったほどだ

初代マクロス『愛は流れる』のデストロイド・モンスター発進のように
ロボットアニメ史に残る起動シーンだと思っている

追記

パンフレットによれば、このカイゼリン登場シーンは撮影も100回以上撮り直しをしている(!)らしい。

作画、音響、撮影すべてに魂の入った珠玉のシーンと言えるだろう。

そういえば映画『ファイブスター物語』のナイト・オブ・ゴールドも、活躍シーンがそう長いわけではないのだが、登場シーンのインパクトと美しさで魅せてくれた。

永野監督のこだわりと感性が発揮されるところなのであろう。

また、カイゼリンの装甲が様々な色に変化する描写もしっかりなされている。

兵器を忌み嫌うベリンがそれでも「なんて美しい」と見とれてしまう心の動きが納得できる映像となっているのが見事だ。

敵方のボルドックス来襲も非常に恐怖を感じさせるうまい見せ方をしていた。

それ以外のゴティックメードでは、メロウラや(エルガイムMk-Ⅱを彷彿とさせる)ゲートシオンマークⅡ、マークⅢが登場するが、ファンサービスの顔見せといった感じで活躍場面はない。

劇場以外での視聴は難しそうなので、機会があればぜひ観てみて欲しい

現在のところ再上映でしか観ることは難しいこの作品だが、おそらく今後も再上映される機会はあると思うので、時間が合えばぜひその目で見て欲しい作品だ。

ゴティックメード公式サイトによれば、「ドリパス」や「TOHOシネマズ」に再上映リクエストも送れるようだぞ。

いつか家庭用機器の解像度や音響が進化した暁には、ソフト化もして欲しいですね

オペ子
オペ子

追記:パンフレット買ってみた

観に行ったのが公開終盤だったためパンフレットはもう完売してしまっていたのだが、見たら欲しくなってしまい、KADOKAWAオンラインショップで予約を受け付けていたパンフを注文。

年末の12月30日に届いた!美しい装丁で見応えある。10周年に寄せた永野監督のコメントもあるぞ。

「花の詩女 ゴティックメード」 劇場パンフレット
KADOKAWAオンラインショップで販売中
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ロボ兄

ロボットアニメで人格形成されたアラフィフ親父。魂のアニメはザブングルとレイズナー。直撃は80年代~90年代サンライズ作品だが、それ以外も色々親しんでいる。

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