視聴感想

『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』感想とTV版との違いとちょこっと考察

2月に『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』(先行劇場版)を観に行ったのだが、ネタバレをどこまで書いてよいか迷って書けずにいた。

先日『機動戦士Gundam GQuuuuuuX』TV版3話まで放送されたので、もういいだろうということで書いてみるぞ。

公開すぐには観に行けなかった

ご存じの方も多いと思うが、劇場版の構成はTV版の2話にあたる部分から始まり、TV版の2話→1話→3話の順で物語が進む。

「宇宙世紀0079(一年戦争)パート」が前半、「宇宙世紀0085(マチュたち)パート」が後半で、上映時間81分のちょうど40分ずつくらい。

劇場版を観たときから「この一年戦争パート40分あってTVの1話に収まらないがどうするんだろう、過去話で2話使うのも間延びするよな。どこか端折るか、小出しにして語られていくのかな」と思っていたのだが、TV版2話では一年戦争パートの後半を端折って1話ぶんに収めていた。

ただ端折った部分も重要なので、TV版の別の話数で今後語られるのではないかと思っている。

端折られた部分の内容や感想も書くが、まだ知りたくない人用に回避できるように心がけつつ書いてゆく。

劇場版を観に行った時点での予備知識

さて、劇場版を観に行った時点での予備知識は、予告映像から「どうやらジオンが勝った世界線の宇宙世紀IFっぽい?」「シャリア・ブルっぽい?」くらいのみ。

私は、ジオンや連邦の名は出てきても、サンライズ制作でもないし、アムロやシャアなどのメインのネームドは流石に出さ(せ)ないのではないか、と思っていた。

出すとしても「世界にそんな凄腕パイロットがいる」くらいの語られ方なのではないかと。

鑑賞開始──マジかよやりやがった!

そして鑑賞開始。

「人類が増えすぎた人口を宇宙に移民させて既に半世紀──」

ほーん、このナレーションまんまでやるのか、面白いやん。(TV版2話ではこのナレーション部入っていなくて残念!)

と思って観ていると、タイトルとともに「♪チャラララーン デデデンッ」

SEもそのまんま使うんかい!! とちょっと笑いそうになる。

そして『機動戦士ガンダム』(以後、1st)第一話と同じ構図でザク登場、サイド7侵入。

まさか──?

えっ、シャア!? シャアなのかい!?? そんながっつり出すの????

このときの衝撃よ。

「やりやがった!! マジかよあの野郎ッ やりやがったッ!!」

観ている段階ではやりやがったのが鶴巻監督なのか庵野氏なのかわからなかったが、視聴後にパンフで一年戦争パートのプロット、脚本はすべて庵野氏と知り、まあ納得笑

「5倍以上のエネルギーゲインがある」
「誰がコクピットにいる?」
「武器はないか……これか」

など、1stのセリフとBGMを使いながら立場を変えて物語は進む。

本当に戦犯みたいになってしまったジーン

世界線が変わったきっかけは、ジーンのザクが不調で最初からシャアが出撃していたこと。

1st1話で「シャア少佐だって戦場の戦いで勝って出世したんだ!」と偵察任務から破壊を強行し、フラゥの親を殺し、結果アムロがガンダムに乗るきっかけを作ったことから、ファンからネタ的に「ジオン最大の戦犯」などと呼ばれていたジーン。

ジークアクス時空では彼の代わりにシャアが侵入したらジオンが勝利しちゃったので、マジで戦犯だったみたいになってしまった。

しかも残酷なのは、1stの彼とジークアクスのシャアの行動が大きく違うわけではないということだ。

偵察任務から逸脱することに変わりはない。

だがデニムから、1stのジーンは「命令違反を犯すのか、やめろジーン」と言われ

ジークアクスのシャアは「さすが赤い彗星、いつもながら臨機応変だ」と賞賛される。

もちろんシャアは命令を上書きできる立場にいるし、1stのジーンのように無駄に民間人を射殺したりせず的確にMSのみを破壊し、動く可能性のあるガンダムを奪うという判断を即座にしたからなのだが。

要するに同じことをやろうとしても

能力なく失敗すれば戦犯、能力あって成功すれば英雄

という、残酷な現実……。

「手柄を立てちまえばこっちのもんよ」という1stのジーンのセリフが事実だっただけに哀しい。

シャアがジーンよりもアムロよりもスマートに行動した結果、フラゥの親もテム・レイも(デニムもジーンも)無事である。

ドレンの有能感がよい

シャア自ら潜入することへの「少佐もまだお若いからな」というドレンのセリフもいい。

1stでもたびたび潜入任務の先頭に(目立つスーツで)立つなど、佐官らしからぬ行動をしてしまうシャアだが、ドレンにこう言わせることでその行動に一定の納得感が出てくる。

シャアに忠実に仕えるドレンが本人のいないところでふと漏らすのもキャラ造形として魅力がある。

そうした客観性も含めて、シャアをよく支えて、頼りにされてたと思うのだよな、ドレン。

「囮目的」のセリフに富野監督の手回しが重なる

ガンダムと木馬(1stではホワイトベース、ジークアクスではペガサス。ホワイトベースはペガサス級2番艦だが、この時空ではペガサス級1番艦がサイド7に来ている? 小説版名称準拠?)を奪取するシャア隊。

追手との戦いで「見せてもらおうか、この(連邦の)モビルスーツの性能とやらを」「ザクを一撃で」「遅い!(前蹴り)」などの1stセリフも回収。

また、白く目立つカラーリングに関して「最初から囮が目的なのかも知れんな」というシャアのセリフも、とても「富野的」で良いと思った。

どういうことかと言うと、1stではホワイトベースもモビルスーツも連邦主流派からは重用されておらず、ジオンの目を引いて囮になってくれればいい程度の扱いで冷遇される。

これは物語の都合上、ホワイトベース隊が軍の厳格な指揮系統に組み入れられず、子供たちが乗っていてもなんとなく許されて独自に動けるための理由付け、舞台装置である。

多少無理はあるが、作劇の都合に一応作中における理由付けをちゃんと用意する富野監督の手回しが当時斬新で、アニメファンを喜ばせたのだ。

富野監督はガンダムも本当は銀一色にしたかった(宇宙空間では塗装しても紫外線で退色するだろうし、太陽光の熱を反射できた方がいい、みたいな理由だったかと思う)が、玩具を売る都合上スポンサーからトリコロールカラーを求められ、安彦良和氏が(不満を持ちながら)色付をしたという。

つまり派手な色になるのは玩具を売るために子供たちの目を引きたいというスポンサーの都合なのだが、ここに「囮のつもりで作ったから目立つ色にしている」という理由付けを用意することで、作品内でも一定の納得感を持たせることができる。この手回しが「富野的」だと感じたのだ。

もっとも1stでは連邦が本腰を入れてモビルスーツを量産したジムも白ベースなので「囮目的」もつじつまが合わなくなるのだが……。

……まあそもそも、自機を赤く塗ってやたらと目立たせるシャアが「こうも白くてはな」と言うのも大いにツッコミどころではある。
(おそらく庵野氏はわかっていてネタ的にやっている)

シャアの破滅ルート回避

さて、さらっとガルマが軍を離れている設定になっていた。

ホワイトベース迎撃に出る必要がなくなっているので、イセリナと結婚して幸せになっているのかもしれない。良かったね。

シャアは友人だった彼を忙殺して後に引けなくなった部分もあるので、シャアの破滅ルートを回避するフラグかもしれない。

フラナガン博士とのやりとり(博士のルックスは1stTV版ではなく劇場版準拠)、シャリア・ブルとの邂逅。

シャアとシャリア・ブルのワインのシーン、雰囲気あって大変良い。

隠しごとなくなると言うならマスク取って話したらどうだと思わなくもなかったが。

ララァは登場せず、もちろんアムロとの確執も生まれないので、こちらもシャアの破滅ルートが回避されている。

人類の革新を進めるパートナーがシャリア・ブルになったということか。

シャアが女性に母性を求めると碌なことにならないので、シャアと世界が幸せでいられるルートはBLルートなのかもしれない。()

その後、ソロモンとルナツーが互いに陥落。

ビグ・ザム量産、これで連邦などあっという間に叩けるわ、という気持ちになるが、グラナダへのソロモン落とし阻止への突入作戦へ。

この部分はジークアクスTV版2話ではダイジェストになってしまった。しかし重要なので今後触れるのではないだろうか。

感想を書いていくが、TV版を追っていてその部分は見たくないという人はここまでジャンプして回避してほしい。

TV版2話で省略された部分を飛ばす

TV版2話で省略されたソロモン突入

TV版でまだ語られていない部分なのですこしスペースを入れる。

ソロモン突入、ここでまずソドン(ペガサス)が強襲揚陸艦らしい働きを見せてくれて興奮する。

ちなみにおそらくホワイトベース型を強襲揚陸艦と設定したのも、先にデザインがあって、この張り出したMS射出構造に何かしら意味合いを持たせたい、という「手回し」のひとつだと思う。

ちなみにデザインの大河原氏はホワイトベースのデザインはスフィンクスをモチーフにしていると語っており、マチュ編で女生徒がソドンを見て「砂漠のアレみたい」というのはそれをわかって言わせている。

軽キャノンのパイロットにテンション上がる

シャアはこの作戦の中キシリア謀殺を図ってわざと失敗しようとするが、連邦の軽キャノンと遭遇。

そのパイロットはどうやらアルテイシア(セイラさん)らしい──

おお、なるほど、セイラさんかー!

ここまで、

「ああ、アムロとガンダムがいなくてもオデッサで連邦が勝つし、ビグ・ザムは落とされてソロモン陥落するのかー。まあ物量や、ソーラ・システムあったらそうなるのかな……でもホワイトベース隊いてもいなくても戦況大きく変わらなかったとなるとちょっと寂しいな……」

と思いながら観ていたのだが、そうか、セイラさんか! と膝を叩く。

この時空ではセイラさんが軽キャノンに乗って、黒い三連星撃破やビグ・ザム撃破など、アムロとガンダムがやってきたことを(アムロほどではないにしても)やってきたという話になっているのか!?

と想像してテンション復活。言われればあり得るライン。シャアの運命に関わる人物としても申し分ない。

ゼクノヴァと謎のオブジェクト

その後、『逆襲のシャア』のアクシズショックのような現象(ゼクノヴァ)が起き、アクシズ落としは阻止される。

キシリアを殺すシャアの復讐ルートも回避され、これもシャアの破滅ルート回避の一貫かもしれない。

グラナダ地下の何かが消えたとかシャノンの薔薇がどうとか言っていたが、なんのことかわからず。

トミノメモ(1st開始前の富野監督の構想メモ)ではララァのエルメスがグラナダ地中からビットを飛ばす設定だったので、そのあたりが着想元だろうか。

ちなみに『∀ガンダム』で黒歴史が封印されていたゲンガナムもグラナダ跡とされており、これははるか未来の話だが、世界の秘密が封印される場所という着想元になっているかもしれない。

キラキラの中で「ラ・ラー」的な音はするし、この時空ではララァにあたる存在が、ニュータイプの進化を促すオブジェクトとなっている? サイコフレーム的な? もっと別の、多次元世界をつなぐオーパーツのような?

現段階では何もわからないが、ゼクノヴァに関連するのだから、GQuuuuuuXの今後に関わってくるものなのだろう。たぶん。

やはり状況判断優秀なドレン

ここで、ギリギリまでシャアを待つが、限界と判断するや冷静に切り上げるドレンの動きも、状況判断の正確さ、軍人としての資質の高さを感じさせて良い。

1st大気圏突入の話で、救助不能な高度になってしまった僚友をドレンが「クラウンはダメです」と感情を入れずに判断・報告したシーンを連想した。

キシリアの行動に感じる違和感

一方、グラナダを離れようとしないキシリア。

1stではア・バオア・クーをさっさと離れようとしていたので、この人この状況で離れずに留まるものかな?

というかシャアの正体にも気づいているのだから、見殺しにされる可能性を考慮するもんじゃないのか?

と、珍しくやや違和感を覚える。

ただ、1stでも「グラナダと本国が残っている」ことを頼みにしていたし、グラナダが壊滅したら少なくとも自分は政争に負け、ギレンに従う未来しかなくなる、それは堪えがたい……という判断なのかもしれない。

それにしても私の中の解釈では生き延びることを優先して、機会を待ちそうなイメージなのだが。

(このあたり、あなたはどう感じただろうか。もしよければコメントなどで教えてほしい)

ところでギレンが健在そうなのは確かだが、この戦況だとジオン側から和平を持ちかける必要もなく、デギンも殺されていないのだろうか?

そもそもガルマが死んでいないので国葬を巡るデギンとギレンの軋轢もなく、デギンはギレンに全権を任せて隠遁しているのかもしれない。

舞台は宇宙世紀0085年へ──既存作品での設定は?

シャアが消失し、ジオンが勝利し、舞台は宇宙世紀0085年に移る。

ちなみにZガンダムの舞台は0087年。Zガンダムの歴史では、0085年はシャアがクワトロを名乗り、エゥーゴが結成された少し後くらい。

0085年には地球連邦に反対する大規模デモを起こしたコロニーにティターンズが毒ガスを注入して住民を虐殺する『30バンチ事件』が起こっている。

ジークアクス劇中でカムランがシャリア・ブルに「『17バンチ事件』の二の舞いは……」というセリフがある。

文脈的にジオンとコロニーが衝突した事件っぽいが、流石に毒ガス虐殺ではないだろう。

Zガンダム時空の、連邦(ティターンズ)が起こした30バンチ事件が、ジオンが起こした17バンチ事件に置き換わっているのかもしれない。

このサイド6、1stではアムロがジャンク屋に流れ着いた父テム・レイと再会する場所でもある。

(ついでに言うと『機動戦士ガンダム0080 ポケットの中の戦争』の舞台もサイド6のコロニー)

あの改札の前で──マチュとニャアン

ジークアクス本編に話を戻そう。

1stでも一年戦争時代も中立を保っていた(コウモリ的とも言える)サイド6は、ジオンと同盟は結びつつもやはり自治独立をしているようで、独自の治安機構(軍警)を持っている様子。

経済は発展していそうだが難民差別はあり、「また軍警か」というマチュの母の発言などからすると、おそらく日常的に横暴な治安活動をしているのだろう。

主人公マチュは駅の改札で軍警に追われるニャアンと出会う(というかぶつかる)。

主題歌『Plazma』の歌詞にもあり、ネットでよくネタにされているが、Zガンダムにおけるカミーユとジェリドの初衝突のオマージュでもある。

(冒頭マチュに送られたメッセージは誰からだろう)

神社で再会し、なんか急に百合百合しいエフェクトかかってラッキースケベ床ドン(汚れた発想の視線)。

そして難民、貧民の現実を目にしながらジャンク屋へと向かう。

マチュの行動源となり、シュウジとの出会いのきっかけともなる貧民街接触フラグを自然に立てる構成が巧みだ。

マチュは物怖じせず行動力のある女の子という感じで、鶴巻監督のキャラっぽいなーという印象。

違法行為をしているニャアンを引っ掛けるのも大胆だし、身体能力には自信持っていそう。

違法行為と知っても止めるでもなくむしろ乗っかっていく。まあ軍警の心証が悪いので届ける気にはならないし、アウトローにも敵愾心が少ないのかもしれない。

そもそもニュータイプ的感覚でニャアンが悪どい人間ではないと感じとっているのかもしれない。

マチュは客観的には良い境遇にいるのだろうが、コロニーだけの暮らしやレール通りの進路に閉塞感を感じ、自由な空や本物の海に憧れ、知らない世界を知りたいと願っている様子。

回路のダミーに「地球の歩き方」的ガイドブックを使っていたところからも、地球に行ってみたい気持ちがうかがえる。

ニャアンは告知などでルックスを見ていた印象だとクールで強気なキャラかと思っていたのだが、意外と内気で自信なさげなキャラだった。

夢を持ちづらい環境に置かれ、自分がやりたいことや求めるものを押し殺し、日々を生き抜くことを考えている感じだろうか。

この作品のニュータイプは他者共感の前に自己共感?

マチュはニャアンやシュウジによって知らなかった世界に触れ

ニャアンはマチュやシュウジによって思いのまま行動する生き方を肯定できるようになる

みたいな関係になるのかな?

シュウジは不思議くん過ぎて、何を求めているのかまだわからないな。

ニュータイプは他者の気持ちを誤解なく受け取れる能力だと思うが、この作品ではまず「自分の気持ち、やりたいことを誤解なく自覚できる能力」として描いて、視聴者へのメッセージにしているのかもしれない。

テム・レイの回路とハロにまつわる妄想

さて、ジャンク屋「カネバン有限公司」メンバー登場。

いちいち噛みついてくるメガネくん(ジェジー)いいね、キミきっと後半一番マチュのこと心配しちゃうタイプやろ。

そしてハロも登場。

ちょっとここでハロとテム・レイ回路妄想してもいいだろうか。

MSのインストーラデバイスが1stに登場した「テム・レイの回路」の形状してるの、告知ビジュアルが上がった時点でネットで騒がれていたが、私はテム・レイが登場するとも思っていなかったので「まあファンサービスの遊びでしょ?」くらいに考えていた。

しかしジークアクス時空にテム・レイが存在し、おそらく健在となると、話が変わってくる。本当にテム・レイ製かもしれない。

宇宙世紀のハロも、私の認識ではアムロ製である(後年の設定やORIGINでは市販品をアムロが改造したことになっているが……)。

もしかしたら──

ガンダム開発者としてジオニック社にヘッドハンティングされたテム・レイだが、密かにジオンに対する武装蜂起誘発を画策して闇市場に「テム・レイの回路」をバラまいている。

アムロもハロにニュータイプを感じ取ってその解放の仕方、戦い方を補助する機能を組み込んでサイド6のジャンク屋に置いている。

みたいなことだったりしないだろうか? いやそんなに連邦に忠誠心はないか? でもジオンへの反発はあってもおかしくない?

などと妄想しながら観ていた。

まあ作中で語ることなく、好きに妄想してね、くらいの材料な気もする。

ともかく、このハロはマチュがニュータイプだと感じ取っていそうだし、オメガサイコミュのロックのことも把握していそうに描かれている。

そして妙に好戦的というか、マチュを戦わせようとする。マチュの望みを読み取ってそれに合わせてるのかもしれないが。

テム・レイが絡んでいてもおかしくはないかなと。

ジークアクス大地に立つ

さて、カネバン有限公司前でエグザべジークアクスと赤いガンダムの戦闘。グリングリンよく動く。

赤いガンダムがマチュたちを守ってみせたりも。

そして難民街に対する軍警の横暴と、悔しさと怒りはあるのだろうが、難民がひどい扱いを受けても耐えるしかないんだと現状を受け入れて諦めそうなニャアンの表情を見たマチュは軍警を「やっつける」ことを決断。

ザクを動かした後、ジークアクスに乗り換えるマチュ。響き出す『Plazma』。熱いね。

ところでおしりに近いところまで脚露出してるけど不思議とエロさがないな、マチュさん。

オメガサイコミュを難なく起動させるマチュ。

シャリア・ブルさん、自分が送り出しといて

「(起動した────?)」

ってちょっと意外そうな反応するのエグザべくんが可哀想だからやめてください。

なんかわかって逆襲するジークアクスのアクション、気持ち良いね。

レールにない生き方とキラキラの誘惑

軍警破壊しておいて門限を気にするアンバランスなマチュさんはクラバトに参戦してゆく。

家のことなど心配しつつ、本心ではレールにない生き方とキラキラに惹かれて、参戦するための理由を積極的に探しているように見える。

カムランとの折衝にソドン突入は必要?

ソドンパートの方、カムランさん登場におおっ、となる。

この世界線ではミライさんと結婚している可能性もある? いや1stの感じだとミライさんは断るか……と思っていたら

「かつて婚約者がいたが、結婚には至らず破談に終わったと言われている」

(劇場版パンフレットより)

あーね…… どんまい! 悪い人じゃないんでね。

ソドンで乗り込まないでもカムランさんとの折衝はできたんじゃないの、乗り込んだ時点で本国に伝わっちゃわない? と思ったが

「下手するとジオンとコロニー間の問題になりかねない、そのリスクに比べたら一人不問にした方がいいや」

と思わせるために必要だったのかな。

カムランさんに渡した書類、劇場で観たときははっきりとはわからなかったが、昨日付けでの入管許可申請書、シャア捜索のためにMS使ってても違法ではないですよ、としてもらう感じのものか。

ソドンで「エグザべくんの心配もしてあげて」みたいなことを言っていたのはコモリ少尉だった? 出撃時も心配してたしね。よいね。

エグザべくん釈放、絆創膏エピソード、シャリアさんの人柄を感じさせる。

しかしシャリアさんとエグザべくん、電車とかバーとかで軍事的失態話しすぎじゃない?笑

周りに人いなかったかな。バーのマスターはジオンの人だとか?

ところでクラバトの配信ってミノフスキー粒子の影響受けないのだろうか、散布範囲の外から撮ったり、配信基地まで有線でデータ送ったりしているのかな。1stでもガンダムの戦闘を放送してたしね。

シュウジとのマヴ結成と初クラバト

マチュパートの方は、シュウジと出会い、ニャアンも含めて運命共同体となり、クラバト参戦へ。

マスコットキャラクターのコンチのデザイン、ハロが球体だからこっちは立方体……ってコト?

シュウジは赤いガンダムをどうやって入手したのか、全財産の出どころはどこなのか、謎が多い。

しかしこの感じだと、失ったビットは補充のしようがないよね。

やはりソドンと合流なり協力なりする形になるのだろうか。

ビットがないこともあって、意外とクラバトで圧倒的に強いわけではなかった。マチュのサポートに徹していたからかも知れないが。

クラバトは、視認が必要な有視界戦闘、立体的な宇宙空間戦闘描写が面白い。

作画息切れが心配になる老害オタク

こんな作画クォリティで長く作ったら絶対息切れしそうだが、全12話だったらなんとか大丈夫だろうか。

『ナディア』や『エヴァ』を観てきた世代の人間としては作画レベルがあまりに高いと、どうしても息切れに対する警戒をしてしまう。

今どきは完パケ納品も多いようだし、たぶん大丈夫なんだろう。

今後の展開への妄想──本物の海へ

さて、この後の展開はどうなるのだろう。

何戦かはクラバトするのだろうが、本物の海を知りたい前フリからすると地球に行くエピソードがあるのが自然に思う。

しかし母親にどう理由つければ行けるようになるだろうか。

作品のテイスト的に母親が死んでしまって動かざるを得なくなるみたいな展開にはならない気がするし、なって欲しくもない。

社会勉強みたいな名目にしてシャア捜索に協力するのだろうか。

だいぶ違法行為もしてるのでそれを不問にする代わりに協力を求められる、とか?

マチュも、ニャアンも、シャアも、自分の気持ちに感応する?

おそらくは、マチュが知らない世界を知り、感じ、成長し、自分が求めているものがなんなのかを掴み

ニャアンもマチュたちとの交流を通して自分の気持ちを殺さずに行動できるようになって

やがて日常に帰ってくる「行きて帰りし物語」が基本なのではないかと思っている。

シュウジやシャアや“向こう側”や「シャノンの薔薇」はどう絡んでくるのか。

シャアももし自分が求めているものが正しくわかったなら、ザビ家への復讐や人類の革新とかではないのではないか。

シャアが破滅ルートを回避し、救済エンドに向かう物語でもあるのかもしれない。

ともあれ、まず1stのIFというインパクトが大きかったのは確かだが、構成面白く、キャラも魅力的で、もちろん作画もクオリティ高く見せ方も独自性あって面白かったので、今後への期待もふくらみ、大変楽しめた映画だった。

TVシリーズも楽しめて満足できる作品になって欲しいと期待している!

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ロボ兄

ロボットアニメで人格形成されたアラフィフ親父。魂のアニメはザブングルとレイズナーとGレコ劇場版。直撃は80年代~90年代サンライズ作品だが、広く楽しんでいる。

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