『機動戦士Gundam GQuuuuuuX -Beginning-』、感想はまた別記事で書くとして、ここでは豪華版パンフレットと通常版パンフレットの違いを紹介していくぞ。
通常版は1,200円、豪華版は3,000円。豪華版は通常版のパンフレットに加え、設定画やスタッフインタビューなどが載った別冊が付く形。
そこそこお値段がするが、個人的には満足感高く、買って損がないと思える豪華版だった。
通常版も内容良く、スタッフインタビューにそれほど興味がない人なら通常版で十分かもしれないが。

通常版パンフレットの内容
ではまず通常版パンフレットの内容を軽く紹介する。
前半がマチュたちの活躍するUC0085パートの紹介、後半がシャアたちの活躍するUC0079、一年戦争パートの紹介となっている。
マチュとシャアのアップ画像のページにインパクトがあり、コロニー全景紹介(サイド6とサイド7)を挟んでその2人のページでパートが切り替わる誌面演出が巧み。
内容は
- ストーリー紹介
- 0085パート登場モビルスーツ紹介
- 0085パート登場キャラクター紹介
- コロニー紹介(背景美術紹介)
- 一年戦争の紹介、簡易年表
- 0079パート登場モビルスーツ紹介
- 0079パート登場キャラクター紹介
- 用語紹介
- 鶴巻監督インタビュー2ページ
- 米津玄師インタビュー半ページ
- 音楽:照井順政インタビュー半ページ
フルカラーで情報多く、この通常版パンフもかなりよい。
鶴巻監督の、「ガンダムに軍人でない女性が乗るのは相当ハードル高いことだと思っていたが、制作中に『水星の魔女』が公開されてだいぶ気が楽になった」話など面白い。
当初はそのハードルを超えるため、マチュはもっと尖ったキャラだったとか。いや、現状でも行動見ているとかなり尖っていると思うが……。
豪華版パンフレットの内容
通常版の紹介はフルカラー、豪華版別冊収録の設定画は線画に2~3色影が入っている状態。
- GQuuuuuuX設定画3ページ
- 鶴巻監督インタビュー4ページ
- 登場モビルスーツ設定画4ページ
- 登場モビルアーマー、軍艦設定画2ページ
- 鶴巻和哉×山下いくと×金世俊 メカ描写インタビュー4ページ
- 登場キャラクター設定画4ページ
- 竹インタビュー2ページ(描き下ろし?カットあり)
- サイド6設定画2ページ
- 鶴巻和哉×榎戸洋司×庵野秀明 脚本構成インタビュー4ページ
設定画もとても良いし、なにしろインタビューの熱量があって読んでいてワクワクした。
※以降、豪華版パンフに載っている内容だが、未登場の武器など若干のネタバレ要素もあるので注意。
GQuuuuuuX設定画
ビーム・サーベルやビーム・ライフル、コア・ファイターの設定画も載っている。
この機体、コア・ファイターシステムだったんだ……。
鶴巻監督インタビュー
通常版のインタビューの完全版。
通常版にあった企画の経緯やデザインの話の他、1stの影響、BGMの話など。
私が興味深かったのは、「0085年設定にしたのにはシロッコが影響している」話や、監督が「サイド6編や『0080』も大好きなので、日常と非日常の描写をしたかった」話、GQuuuuuuX世界でのサイド6の現状、1stのBGMを使う場所は庵野氏が選曲している話など。
みんながそれぞれのガンダム観を持っていて、監督と脚本の榎戸氏との間ですら「ジムとリック・ドムどちらが強いか」で論争になる、という話も面白かった。
登場モビルスーツ設定画
赤いガンダム、01ガンダム、ガンキャノン、軽キャノン、ザク、軍警ザクの設定画。
いやしかし、3Dを使うとはいえ、こんな線と立体の多いデザイン、よく動かすなあ……。
登場モビルアーマー設定画
キケロガ、ビグ・ザム、ソドン、ムサイの設定画。
二面図(斜め前、斜め後ろ。ムサイのみ裏面も)
鶴巻和哉×山下いくと×金世俊 メカ描写インタビュー
主にメカデザインやメカ描写に関するインタビュー。
いくつか私が驚いた、興味深かった話を挙げると……
安彦氏の描くモビルスーツは「スーツ」の名の通り、キャラがまとっている、ロボットでありながらキャラクターとして見せるというコンセプトが新しく、特徴だったが、山下氏は「キャラクター性を排する」「ヒーロー性よりも作業機械の発展型」コンセプトでデザインした。
3DCGによって、ビットが「向きを変えたり機体をひねったり」する挙動を描けるようになった。
山下氏の最初のデザインでは目がなかった。カッコイイけれど、ガンダムではない、と直すことに。
頭部バルカンへのこだわりは、監督が『逆シャア』予告のバルカン描写が強烈に印象に残っていたから。山下氏は、頭部にあんなバルカン砲が入るスペースはないだろうと、頭部後方にはみ出す構造にした。
膨大な作業量をこなしているという金氏の発言「それはもう、愛でカバーしてますね(笑)」。
ジークアクスのビームサーベルは、メガ粒子が循環している。
軍警ザクの漢字マーキングは、監督が最初からやりたがっていた。
一年戦争パート、ガンダムが立ち上がる時に胸部から蒸気が排出される演出は「絶対やりたい」と庵野氏が主張した。

さすが庵野さん、ガンダムファンの気持ちを誰よりもわかっている笑
などなど……。
私がメカが好きだからかもしれないが、読みどころ満載のインタビューだった。
登場キャラクター設定画
マチュ、ニャアン、シュウジ、ハロ、ポメラニアンズ、シャリア・ブル、エグザべの設定画。
竹インタビュー
キャラクターデザインの竹氏のインタビュー。
『I can Friday by day!』で監督と出会い、『ヱヴァ新劇』などにも参加。
はじめはもっとディフォルメ色の強いデザインだった。
一番難航したのはシュウジ。
アニメでは顔のアップや手の演技が多いので「胸元から上と手元に特徴を集めたほうが良い」ことを打ち合わせの過程で学んだ。
色彩表現にはかなり監修を入れたし、カラースクリプト様の力で想像を超えて美しい色が出ているので注目して欲しい。
などなど、真摯に話されている。
サイド6設定画
コロニー全景から、舞台となる地下隔壁通路、運河、カネバン有限公司ビルなど。
鶴巻和哉×榎戸洋司×庵野秀明 脚本構成インタビュー
一年戦争パート脚本の庵野氏「セリフを考えるときは、富野さんが憑依するように努めてます。」
ソドンは強襲揚陸艦らしい使い方を描けて良かった。
0085パートの脚本の初稿ではシャリア・ブルたちがムサイに乗っている設定だったが、「ホワイトベース(ペガサス)もジオンのものにしよう」と庵野氏が具申。
庵野 一年戦争時のジオンの戦艦には、カタパルトがないんです。モビルスーツを描く絵の面白さとしても必要だと思い、具申しました。
劇場版の構成は庵野氏の提案。
などなど、興味深いインタビューで、私個人としては庵野氏の初代ガンダムへの諸々のこだわりポイントが大変興味深く、うなずけるものだった。
ちょっと笑ってしまったのは、0085パートの構成について
庵野 上がってきた脚本にアイデア出しや修正を入れたり、コンテにアドバイスしたり、上がった映像にもアレコレと言っていますが、あくまで意見具申させていただく程度です。
榎戸 実際、ずいぶんといろいろなアイデアをいただけましたね。

これ、榎戸さんが大人な対応してるけど、庵野さん絶対むちゃくちゃ口出したやろ笑
といった感じで、非常に読み応えのある面白い別冊だった。